個人再生

個人再生の住宅ローン特則とは?制度を理解してマイホームを守ろう

債務整理における住宅ローン問題

多額の借金をしていると毎月の利息を返済するだけで元金が一向に減らない状況に陥ります。債務整理をしようにも住宅ローンの返済はどうなるのか、家を手放すという不安要素も生まれます。

そんなローンと借金の二重苦に悩んでいる人たちの救済措置として個人再生法の「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」があります。この制度を利用すれば住宅ローン以外の債務を整理し返済することで家を処分せず残すことができます。

住宅資金特別条項(住宅ローン特則)とは

「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」は、2001年民事再生法が改定された際に個人の救済措置が目的として作られたと言われています。住宅ローンのほかの借金を減らすことにより無理のない範囲で計画的に弁済していくわけですが、債務整理後に過払金があれば過払金で利息分を返金できるケースもあります。

マイホームを処分されない

裁判所に個人再生とともに「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」を申し立て、債権者と残っている借金の長期分割払い、利息分を減らす交渉をしますがここに住宅ローンは含まれません。住宅ローンは減額されず残りますが、マイホームは処分されないためそのまま住み続けることができます。

 

また、住宅ローンに連帯保証人がいる場合も「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」を利用することで迷惑をかけずにすむメリットもあります。

 

住宅ローン以外の借金を減額できる

住宅ローンのほかの借金は、裁判所に「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」を申し立てることにより借金の減額、長期分割払いが認められます。(状況により認められないケースもあるため専門家に相談してから裁判所に申し立てをしましょう。)

 

残っている借金額

最低限払わなければいけない額

100万円未満

全額支払い

100万円~500万円未満

100万円

500万円~1500万円未満

残りの1/5

1500万円~3000万円未満

300万円

3000万円~5000万円以下

残りの1/10

 

個人再生と他の債務整理の違い

ひとことでいえば「家を残したいか、処分してもいいか」です。借金を返しながら家も残したい方は「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」を選択しますが、いったん家を手放してもいい、とにかく借金をゼロにして出直したい方は自己破産を選択する方法もあります。

また個人再生と似ている任意整理という制度もあります。任意整理は専門家(弁護士、司法書士)に債権者と交渉してもらいどの借金を整理してくか細かく決めていくことができます。

たとえば住宅ローンの他に自動車のローンが残っているとします。個人再生の「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」は住宅ローンのほかのものが債務整理対象となるため、車は手放さなくてはいけません。任意整理を使えば住宅ローンと自動車ローンのほかの債務整理をします、といったことも可能です。

 

しかし、任意整理にもデメリットがあります。任意整理から外した住宅ローンはローンを組む際に返済期限をマックスにしているケースが多いため、返済計画をいちから見直す(組み直す)のは実際は難しい場合がほとんどです。その他の借金の返済額が多い場合、任意整理する前と返済額が変わらない、または増えるケースが多いのも任意整理のデメリットといえます。

 

個人再生ではなく自己破産を選ぶと?

個人再生ではなく自己破産を選ぶとマイホームはどうなるのでしょうか。家と土地を購入した際ほとんどの方は金融機関で住宅ローンを組みますが、金融機関は同時に抵当権を設定します。抵当権とはいわば金融機関の保険のようなもので住宅ローンの支払いが滞った場合に家と土地を没収し競売にかけ返済できなかった住宅ローンにあてます。

 

また、借金の債務整理ができたとしても個人再生、自己破産どちらも社会的信用が数年間ゼロになることに変わりはありません。氏名、住所が官報にのるため数年は住宅ローンが組めなかったりクレジットカードを持つことができなくなります。生活に支障が出るケースもあるので自己破産申請をする前にいろんなケースを想定しておくのも必要なことです。

 

住宅ローン問題も借金も解決できる

今は債務者を救済するための措置が多くあります。借金は返せないものではありません。債務整理をする方法はいろいろあります。借金で苦しんでいる方、住宅ローンが返せずに悩んでいる方は一度専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

【多重債務の相談窓口】(参考:金融庁公式ホームページ

・日本司法支援センター

・日本弁護士連合会

・日本司法書士会連合会

・日本賃金業協会

・財団法人日本クレジットカウンセリング協会

・全国銀行協会

まとめ

「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」はマイホームを残せますが、住宅ローンの月々の返済額が厳しい場合は不向きです。その場合は返済期間を延長するなどの措置もありますので一人で抱え込まずまずは専門家に相談するようにしてください。

借金を返済することは債務者の義務ですが、人生のなかでどうしようない時期は誰に訪れてもおかしくありません。そんなとき制度を知っているか知っていないかで未来も大きく変わります。借金でにっちもさっちもいかなくなったときこそ冷静に、自分のため家族のために何が正しい選択なのかしっかり見極めましょう。